チェリビダッケのブルックナー

HiroshiMatsushima2007-10-30




実はチェリビダッケというルーマニア出身の指揮者のブルックナー交響曲が大好きだったりします。
もともとチェリビダッケという人の演奏はテンポが遅いのですが、ブルックナー交響曲の演奏にいたっては、際立って遅いんですね。


演奏する現場では、あれだけ音数がスカスカな曲で緊張を持続させて演奏するのはそれはキツイんでしょうね。
特に金管楽器なんてあのスローテンポでやられたら、日本人の金管奏者ではまず演奏不可能でしょうね。



それでもってブルックナー交響曲ってのが、これまた人に「タイクツな曲だね」といわれたら「タイクツでしょうな〜」というしかないような曲なんですね。だいたい曲の冒頭がどれも似たかよったかだし、オーケストラの音色は単調だし。


それでもロマン派の作曲者によくある「オレ様の音楽はすごいんだ!気合いれて聴け〜!!」みたいな押しつけがましいところがないから、あまり音楽を聴きたくないときや(だったら聴くなよ)、何を聴いていいかわらない(だったら聴くなよ)というときには最適なんですね〜。


たぶん、彼の曲は「則天去私」みたいなところがあるから、こうやって私も愛好家でいられるんだと思いますわ。なんていうか、俗物が作ったものじゃないという感覚ですね。


さて、そのタイクツ(失礼!)な曲を極端に遅いテンポで演奏すると、これがまたとんでもなく別世界になってしまうんですね。まるで涅槃に到達したみたいに(行ったことあるのかよ!)。


こういうものには、一旦ハマると抜けられなくなります。未成年にはお勧めできない演奏でもあります。