展覧会の絵
すごく笑えるクラシックCDに遭遇しました。ムソルグスキー作曲の展覧会の絵をラベル編曲の管弦楽版をロシアのテミルカーノフ指揮、ピアノオリジナル曲のカップリングというものです。(たぶん国内未発売、アマゾンではドイツ・アマゾンでのみ紹介されてました)
いきなり冒頭のプロムナードでトランペットソロが音をはずします。(汗)
ありえねーーーー!!! ライブ録音だとしてもそんなもの編集して発売しろよ。
もうこういうのがあると、こっちはミス探しばっかりし始めますね。
案の定、ビドロのチューバソロでも音がひっくり返るし・・・
終曲キエフの大門の直前のクレッシェンドで打楽器がツンのめってキチンとロールしてないし・・・
最後のところでチェリビダッケみたいに大太鼓をヘミオラ風に割っていれてるけど、タメが足りなくて全然さまになってないし・・・
クレジットに管弦楽団が書いていないけど、本当にプロなのかな???
そして、ペトロフ君のピアノのほうは・・・
この人は、リストの「パガニーニの超技巧練習曲」の1938年版を録音しているという恐ろしい超絶技巧の持ち主ですけど、こっちもそれなりに期待をして聞きました。
第1曲のプロムナードは意外にも譜面どおりに演奏。
でも譜面どおりにやっているのはそこまで(笑)、そこからはもうリズムを崩しまくる崩しまくる(笑)もうこちらはこんな変拍子がはいっていたっけ?と首をかしげるほどのやりたい放題・・・
ビドロでは譜面にないフォルテッシモを一発ガツンとかまして驚かせるし・・・
バーバヤーガーの小屋では譜面にない装飾音をこっそりといれたりして・・・
バーバーヤーガーの小屋からキエフの大門に続くブリッジを轟音とハイスピードで駆け抜ける。さすがこのあたりはニコライペトロフですね〜。おまけにペダル全開でかましてるので音がぐちゃぐちゃして「何をやってるかさっぱりわからないけど、なんかすげーな」みたいな状態。
そのあとのキエフの大門もこの勢いでフォルテッシモでぶちかますのかと思ったら、いきなりそこで間をとって、キエフの大門をピアニッシモで始めちゃいました。まさに「肩透かし奏法」っていうかここまでくるとクレイジーキャッツの世界です。
あいた口がふさがりません。
そして最後の盛り上がりのところでも譜面にない装飾音をいれるし、両手でフォルテッシモの音をだすときに、わざと左手(低音)をちょっと先に演奏するのはよくありますけど、この人の場合は、最後のテーマのところで、その間合いを一拍近くおくもんだから、もうドッカーーン、ドッカーーーンと聞こえるんですよね。もちろんそうなると拍子だって2/2拍子じゃなくて、2.5/2拍子みたいになってわけわからなくなります。
最後の音でもこれでもかというほどの強音で低音トリルペダル全開・・・。こちらが茫然としたまま曲が終わります。絶対彼は演奏を終わった後にガッツポーズをしているに違いない・・・。
こんな笑えるクラシックCDにはめったにおめにかかれませんですよ。マジで・・・