退却することの難しさ

顧客との会議の席で即断を迫られるシーンもよく出てきます。


そういうとき自分に上司がいれば、「会社に持ち帰って検討します。」と一旦引くことは簡単です。

でも、曲りなりにも会社のトップという立場で出席していると、そういうわけにもいかない場面もあります。
「おまえがディシジョン・メーカーだろ?」と露骨に即断をせまってくるケースもあります。

でも、こういう時に「ちょっと考える時間がほしい、一旦会社に戻って検討させてくれ」という勇気を持つことは、すごく大事ですね。


これがなかなかできない原因の一つは「即断する」というのが何かかっこういいことのような錯覚をしてしまうと部分でしょうね。だれだってその場でかっこよく結論だして握手して帰りたいという誘惑にとらわれます。



でも、だいたいそういう場で即断するというのは後でロクでもないことになるんです。


なぜなら得てして即断をせまられた席上の、テーブルの上にのっている決断のための情報は相手側の一方的なものだったりするわけです。その場で決断材料となる自社の情報が足りないと感じたら、即退却することですね。



古来の戦争でも、大きな負けというのは退却することのまずさが影響しています。ナポレオン・ナチスのロシア進攻や太平洋戦争時の日本軍とかね。



退却するのは、進行するよりも難しいです。