カタルーニャ美術館
なんだかんだ言っても5回くらいはきたことのあるカタルーニャ美術館。今日はアラブ人顔のキリストを確認するためにいって来ました。
テーマを絞り込んで見ていくと面白いですね。
ロマネスク時代は、キリストとキリストの生涯をデンと中心においた祭壇絵画が多いです。そのあとに、聖母マリアのものが一部あります。
ロマネスク様式の祭壇画、この美術館、ヨーロッパでは珍しく撮影禁止です。この後、私は係員に注意されました。(汗)
ゴシック時代になると、キリストが中心の祭壇画が実は少なくなってくるんですね。そのかわりに聖母マリアを中心にそえたものが多くなります。つまり幼子キリストをだいた聖母マリアですね。
キリストはその一生を祭壇画の周辺に小さく描かれるにすぎなくなります。
さらに、増えてくるのは時代を下ってくると中心に描かれるのは、その修道院の創立者や、祭壇画の寄進者になってきます。そして祭壇画の注文者の好みがだんだん出てくるんですね。このころから同じ聖母マリアの像でもイエスに授乳するシーン、つまりおっぱいが見えるシーンを描いているものが増えます。
一方、キリストの表情は、強い意志を感じられるアラブ人の顔から、「私の人生不幸でした〜」みたいな情けない顔のひ弱な白人の顔にかわっていくんです。
実は、5回近くいっていながらも、私はこの美術館に2階があって、バロック時代以降の絵画が展示されているというのを今まで知らなかったんです。(恥)
いってみると、スルバランの有名なアッシジの聖フランシスコ像があったり、19世紀に活躍したバルセロナの画家(世界的には無名に近いけど、個人的には非常に気に入ったものがありました)の作品が展示されていました。
いやぁ〜、思い込みって怖いです・・・。
おまけ1 建物の中心のドームの内側にはこんなモダンな天井画が描かれています。
おまけ2 美術館からバルセロナ市内を望む クリスマスが近いというのに、この青空。ここではホワイトクリスマスはありえません。