Al éxito en 5 movimientos

HiroshiMatsushima2008-01-18


Juan Luis Carratalá著

今年の目標はスペイン語の本を100冊読むということでやってるわけですが、今日読み終わったこの本で6冊目です。邦題をあえてつけるなら、「成功への5つの動作」とでも訳しますか。


副題が「整体メソッドを使った企業と身体の指導」となっています。もうなんだかわからないでしょ?


まえがきでは、1970年代にHaruchika Noguchiという日本人が整体というメソッドを開発し、Katsumi Mamineがスペインのバルセロナに持ち込んだとのことです。

その整体のメソッドが企業の立て直しにも使えるというのが、この本のメッセージらしいです。


さて、整体には、縦の動作、水平の動作、前面の動作、背面の動作、中央の動作の5つの動作があって、この動作は身体を改善するだけでなく、企業も改善することができると著者はいいます。なぜなら人間も生きているし、企業も生きているから・・・ってよくわからない理屈ですけど・・・。


で、ここからがスペイン人の好きなたとえ話で本文は進みます。つまり難しい抽象的な話はおいといてたとえ話をするから、理解してねってやつですね。


舞台はとあるスペインの海岸にある町、昔は漁業で村人たちは暮らしていたのですが、観光ブームに目をつけたホアン(現在は90歳)が小さな旅館を始めます。
そして、その子供であるアレクサンドロ、マリアナ、ダニエルは成人すると彼を支えていっしょに経営を手伝います。この兄弟の他にマリアナの夫であるパオロとダニエルの同僚ラウラがいっしょに仕事をします。


この旅館は成功し、ホテルへと規模を拡大していきます。そのころまではうまくいっていたのですが、ホテルを2件、3件と拡大していくにつれていろいろと問題がでてきます。各人の意見の対立もでてきます。そういう問題を一掃して、ホテルを再生しようということで、ホアンのところに5人が集まります。

そこからが物語がはじまるのですが、延々と過去のこと、といってもかなりプライヴェートな話ばかりを場所を変えて(本では章を変えて)延々と話をします。


読者からは、ホテルのどこに問題があって、これからどうしようとしているのかがさっぱりみえません。一応、主役は末っ子のダニエルらしいんですが、ダニエルは「後で話す」を連発してじらします。


そうこうするうちに、最後に父親であるホアンといっしょに夕食をとることになります。ここが一応この本のクライマックスなんでしょうね。ほとんどページも尽きてきました。


その夕食の場でホアンが言うのです。

「アレクサンドロはヴィジョンを持っている(縦の動作)、マリアナは人を満足させる才能がある(水平の動作)、ラウラには行動力がある(前面の動作)、パウロには人の話を聞く能力がある(背面の動作)、そしてダニエルにはそれら全体をまとめる力がある(中央の動作)がある。だから5人で協力すれば大丈夫だ。!!!」



・・・・・って、これで結末ですか〜?で、ホテルはどうなったのよ???

まるでスターウォーズの帝国の逆襲のような強引なエンディングに空いた口がふさがりませんでしたわ。

っていうことでこの本を読んでも整体のことはわかりませんし、それが企業に応用できるなんてのはさっぱりわかりません。私はスペイン語の勉強ということで割り切って読みましたけど、ネイティヴだったら読了後、「金返せ〜」と叫ぶこと間違いなしのトンデモな本でした。(笑)