タラゴナ・ネギを食べに行く
ネギといえば、日本では当たり前の食材、統計によると日本人は年間に70本のネギを消費するそうな・・・。
ところで、カルソッツというネギがスペイン(もしくはカタロニア地方)では冬の風物詩なんですね。単に炭で焼いて食べるというだけのものなんですけど、新鮮で美味ですよ、素朴の極致という話もありますけど。
今回行ったのはタラゴナというバルセロナから南に80kmほど下った所にある町になるカン・サラというお店。ちなみにタラゴナという町はローマ時代はこのあたりの中心地だったので、バルセロナより由緒のある町です。
地中海沿いに走る高速道路AP-7号線の33番出口を降りて1kmくらいのところにあるレストランです。車ならものすごくアクセスがいいところです。
我々は土曜日の1時半に到着したのですが、非常に静かでした。
まず、前菜には、トマトとオリーブ油をすりつけたパンと、ブタファラというスペイン風ソーセージの輪切り、そしてオリーブやピクルスです。水とハウスワインが飲み物としてついています。
前菜に続いてやってきましたのが、カルソッツです。「ドンッ!!!」とこんなのがテーブルに置かれます。ソボクでしょ。(笑)
この炭火で焼いたネギを持ち上げて、根っこの方を抑えるとスーッと抜けるというわけですね。
そして、これにアーモンドソース(砕いたアーモンド、トマトペースト、オリーブオイル、ニンニク、タラゴンをまぜたようなソースです。)をつけて、写真のような体制で下からかぶりつきます。
決して上品な食べ方じゃない(笑)
手は炭で真っ黒になるしね・・・・
ちなみに、ここまでの段階でフォークもナイフもテーブルにはありません。つまりすべて手づかみです。
所詮、ネギですからね。いくらでもお腹に入ります。店の人が「もう少し食べるか?」と聞いてきたので、ちょっと遠慮勝ちに「少しだけ・・・」と追加を頼みます。
すると・・・「ドン!!!」
さっきと同じ量やんけ〜!!!(笑)
ということでさすがに全部は食べることができないので、持ち帰りにさせていただきました。
(注)アメリカと違って、ヨーロッパでは持ち帰り用に包んでもらうのは勇気がいる行為です。
そして、メインディッシュ・・・
こちらは豆とトマト、アルカチョーハ、じゃがいも、豚肉ソーセージ、ウサギ肉、鶏肉の盛り合わせです。
このあとにさらに、とどめにデザートがシャーベットとクレマ・カタラーナと二種類がだされてメニューは終わり。
いやはやものすごいボリュームでした。
この後、腹ごなしに市街地をちょっと散歩してから、家路につきました。
地中海を臨める円形劇場跡より
観光地の改修工事について
今、バルセロナ市内では、カサ・バトリョのとなりの家が改修工事に入っていますね。
バトリョの曲線美と好対照をなしていたんですけど、ちょっと残念。
カテドラルは相変わらず改修工事中です。ここに住んで3年以上になりますが、いまだかつて私はこのカテドラルの全貌を見たことがありません。
最近は文化遺産の保存にどこの国も躍起になっているので、時に観光に行くと改修工事があってよく見られないなんてことがあります。
こればっかりは事前情報もないので、運が悪かったとしか言いようがないですね〜・・・・。
私が1988年にロンドンに一年間住んでいた時は、ピカデリーサーカスが1年間ずーーーっと工事中だったので、噴水のことをよく知りません。黒い六角形の壁があったことしか覚えてません。
そして、私が出くわした人生最悪の改修工事はこれです。
ミラノに行って、ドゥオモを見ることができないって、いったいどういうことよ!!(怒)
人はそこまで・・・・
「人はそこまで人を愛せるのか」という文章は、たしか直木賞作家の東野圭吾の「容疑者Xの献身」にあったと思います。
さて、この話も前回の続きです。
テーマは「人はそこまで寝れるのか」(情けな!!)
ということで、2月28日から約一日の睡眠量をかぞえました。
2:00から7:00
ホテルで就寝
7:00から12:30
ホテルから移動、成田でフランクフルト便に乗る。このうち、移動時間1時間30分とラウンジで1時間眠る。
12:30から16:30
成田からフランクフルトまでの国際線機内、およそ12時間(時差が8時間ありますからね)、そのうち9時間眠る
16:30−21:00
フランクフルトのラウンジで乗り継ぎの時間つぶし、やはり1時間くらい眠る
21:00−23:00
フランクフルトからバルセロナへ向かう機内 2時間爆睡
23:00−翌日2:00
家に帰って雑事
2:00−7:00
家のベッドにて爆睡
つまり、2月28日から2月29日の間のべ37時間中、29.5時間は寝てたんですね〜。この男・・・・・。
生後6か月の子供でもここまでは寝ないかも・・・。
そりゃ家族も文句いいますわ。「オマエは寝てバッカリだ!」ってね。
でも、これだけ寝むれるというのも立派な才能だと思うんですけどね〜。
ある日突然、中国が日本に攻めてきて、中国軍の兵卒どもが民家に乗りこんで、我々に機関銃を突きつけて、「お前ら今から眠れ。眠れないヤツは銃殺する!!」なんてすごんできうたら、生き残れるのはきっと僕だけですよ。うらやましいでしょ。
え?全然うらやましくないの??
いいわけがましいけど、その残りの時間で本を6冊くらい読んでいるんですけどね・・・・。そのくらい生産活動してたらいいじゃないですか〜(泣)
で、これだけ寝てれば時差がとれるのか?頭がすっきりするのか?ということについていうと・・・・
頭は疲れてないけれど、きちんと動いているとも思わない。
時差はとれてるかもしれないけど、すっきりしているようにも思えない。
ただはっきりしているのは・・・・
床ズレで肩が痛い・・・・・
やっぱり適度な運動も必要かも・・・。(汗)
ファーストクラス
前回の続きです。
さて、ラッキーなことにファーストクラスに搭乗できた私ですが、ここでダイエットにつき「機内の中では固形物をとらない」ということを決めていたことに気がつきました。
これにはマジで悩みましたね。
でも、なんとかしなくしゃいけない。
ということで、行きの便と同じく、シートべルト着用ランプが消灯したとたんに、席を倒してねることにしましたよ・・・。
しかも昼の1時にです。
これは結構つらいものがありますね。いくら前の日飲んでたとは言っても、5時間は寝てた上に、空港ラウンジで1時間ほど仮眠をとっている。
これでまた眠れるヤツは気違いだ。
しかし、ここで寝るふりでもしないと客席乗務員がやってきて、よだれのでそうな食事のオファーをしてくるに決まっている。
なんとかして外部とのコミュニケーション手段を切断せねば・・・・・
ということで風邪ぎみであることを適当に演出しながら、風邪薬をもらって(これはこれで睡眠剤にもなる)寝ましたよ・・・・9時間ばかし・・・・(オイ)
熟睡などできるわけもなく、うたたねというか夢と現実のはざまをうろつきました。
問題は、今回カラオケの練習をする夢とかカラオケで歌う夢とかそんなの歌がらみの夢ばっかり見てたんですね。
ひょっとして、寝言変わりに歌を歌ってたのではないか・・・・・・・
しかも、寝言レベルではなく思いっきり絶唱していたのでないか・・・・・
いったい、着陸直前の隣の客の視線はなんだったのか?・・・・・
いつもより客席乗務員の態度が慈愛に満ちていた原因はなんだったのか?・・・・
もう考えたくない・・・・・・・
想いは通じる
なんて、タイトルですけど、レンアイネタでもなければ、自己啓発系教訓ネタでもありません。
はっきりいって自慢話です。
そういうのを読みたくない人はクリックしてどこかにヨソにいくことを強くお勧めします。
今朝はスペインに帰る飛行機に乗る予定だったのですが、ちょっと疲れてたので、飛行機はアップグレードしてファーストクラスに乗ろうかという気分でした。
そうして、成田空港のチェックインカウンターにいくと・・・・
「XX様、本日は座席調整の関係でファーストクラスの席をご用意しております」
♪♪♪
いやあぁ、カウンターのおねえさんが天使に見えましたよ。このときは(笑)
日頃の行いがよろしくない大悪党(チョイワルオヤジと言われたことは一度もない)にもいいことはあるというお話でした。
ネ?読んで損したでしょ??だからいわんこっちゃない・・・・
ヨーロッパの上空より
私は、地球温暖化を人類存続の危機の原因としてはあんまり(というよりまったくですね。人類はもっと別の理由で近い将来トンデモない目にあいます)、気にしていないんですけど、それにしても暖かいですね〜。
バルセロナからフランクフルトへの移動の間、飛行機の窓から外を見てもそれがわかりますね。
プロヴァンス地方の山々、ほんの少し雪がつもっているだけ・・・
あれあれあれ、マッターホルンにも雪がないですね〜。ちなみに私、マッターホルンを地上から見たことありません。いつも空の上からです。進行方向に向かって右の窓から写真をとっていますけど、左の窓からだとスイスの湖とモンブランが見えるんですよ。
こっちは去年の今ぐらいの時期の写真・・・・。
山間の町にも雪がないですね〜。
おまけ。着陸直前に見た抽象画みたいな風景
女性文学と和歌:平安朝の代表作品
2月20日、表題の講座を受講してきました。
講師は、Jordi Mas先生
100人近く入るセミナー室は、ほぼ満席。うち日本人は、私と義理できている大使館関係の方だけ(汗)残りは全員スペイン人の学生です。(フランス人もいたかもしれないけど、そんなの区別がつくもんか!)
取り上げた作品は、
伊勢物語
土佐日記
古今和歌集
蜻蛉日記
和泉式部日記
紫式部日記
枕草子
源氏物語
この中で、伊勢物語の一部、土佐日記の冒頭(おんなもすなる・・・)、枕草子の第一段(春はあけぼの・・・)と「すさまじきもの」、紫式部日記の一部(清少納言批評と、「日本書紀の君」のところ)は実際にスペイン語訳を朗読して作品を紹介していました。
1時間半でこれだけの内容をやるのは、進学塾の詰め込み的な雰囲気はありますが、スペイン人向けの講座としては、よく整理されていたと思います。
日本人にとっては、当たり前のことばかりの内容でしたけれどね・・・。
先生はまず和歌を紹介するところで苦労してました。スペイン語訳で朗読した和歌に対する生徒の反応があまりにも悪い(「この歌のどこがいいの?」みたいな)ので、「この歌なんてオリジナルはすごくきれいなんだけど、スペイン語訳では伝わんないよね。」だって(笑)
まあ、和歌は31音声で構成され、それぞれが5,7,5,7、7で区切られる。西洋のポエムの韻のようなルールがあるように、音声の部分が訳にでてこないことで、音響美が削がれているくらいの解説がないと理解はしてもらえないかも・・。
これって、日本で漢詩を読み下し文だけでからおもしろくないのと一緒ですよね。漢詩ってのは中国語の音で聞くとものすごくきれいなんだから。詩と音を切り離して考えちゃいけませんぜ。これ詩の原則でしょ?(笑)
方違え(かたたがえ)の解説にも苦労してましたね〜。ありゃ一言、二言で解説するのは無理ですわ(笑)
先生は、平安期に女性文学が発達した理由として、「当時の女性は顔を隠していて、服装(十二単)や歌の内容だけできれいかどうかを判断されていた。表にでたり、スポーツをやっているわけではないから、エネルギーが余っていた。そのエネルギーが文学表現という方向に向かった」と解説してました。
でも、その発生要因については、宗教的、歴史的側面をみないといけないんじゃないかなと思うんですどね。古代日本では女性は神と交信ができる能力がある(巫女)という考えがあったし、言葉には霊的なものが宿ると信じられていたという部分を抜きになぜ女性が書いたのかというのは解き明かすことができないんじゃないかなと思ってるんですけどね〜。
学者さんは文学だったら文学、歴史だったら歴史しかみないからな〜。
まあ、学生さん向けだからこの程度の解説でもいいのかな。(笑)
ひらがなの成立について説明をしていたときに、私もふと疑問に思いました。
ひらがなが漢字(万葉仮名)から発生したというのは、日本人ならみんな知ってるけど、なんであれができたんでしょうね?
墨消費の節約?コピー速度を速くするため?
物事の進化、変容には必ず理由がなきゃならないっす。そこがひらがなについては欠けているような気がするんですね。そもそも元になる万葉仮名ってのは、同じ音声でも違う漢字を使うことで意味を二重に持たせるようなことができました。でもひらがなにするとそういうことができなくなるんですよ。つまり表現としては退化していることになる。
でも、案外二重の意味をさらに隠せるようにするためにわざと使いだしたのかな?
そう考えると古今集あたりの歌を万葉仮名に置き換えると暗号がぽろっとでてきたりして(妄想)
いろいろ妄想を含めて楽しい1時間半でした。